雨漏り修理は自分でできる?プロに頼むまでの5つのステップと料金の目安

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突然の雨漏り、どこに相談すればよいかわからず不安になりますよね。この記事では、ご自身で雨漏り修理ができるかの判断基準から、プロの修理業者に依頼するまでの具体的な5つのステップ、気になる費用相場までを網羅的に解説します。結論として、雨漏りの根本的な解決には原因の特定が不可欠であり、専門的な知識と技術を持つプロへの依頼が最も安全で確実な方法です。なぜなら、見えている箇所と原因が異なる場合が多く、誤った対処は被害を拡大させる危険があるためです。まずは落ち着いてできる応急処置を行い、この記事を参考にして最適な修理方法を見つけましょう。

目次

雨漏り修理は自分でできるかどうかの判断基準

突然の雨漏り。「すぐにでも修理したいけど、業者を呼ぶべきか、自分で直せるのか…」と悩む方は少なくありません。結論から言うと、雨漏りの原因や場所によってはご自身での修理も可能ですが、多くの場合、専門的な知識と技術が必要です。安易なDIYは、かえって被害を拡大させたり、高所作業で重大な事故につながったりする危険性をはらんでいます。

まずは落ち着いて状況を確認し、自分で対応できる範囲なのか、それともプロに任せるべきなのかを冷静に判断することが重要です。この章では、その判断基準を具体的に解説します。

自分で修理できる可能性のある軽微な雨漏り

ご自身で雨漏り修理を試みることができるのは、原因箇所が明確に特定でき、安全な場所での作業であり、被害がごく軽微な場合に限られます。以下の3つの条件をすべて満たしているか確認しましょう。

  • 原因箇所がピンポイントで特定できている
    目視で「ここだ」と断定できる小さなひび割れや隙間が原因の場合です。例えば、外壁のコーキングのわずかな切れ、手の届く範囲にある瓦の小さな欠け、ベランダ床の表面のひび割れなどが該当します。原因がはっきりしない場合は、DIYでの修理は避けましょう。
  • 安全に作業できる場所である
    脚立を使わずに作業できる1階の窓サッシまわりや、足場が安定しているベランダ・バルコニーの床など、転落の危険性が全くない場所であることが絶対条件です。少しでも高さがあったり、足元が不安定だったりする場所での作業は絶対にやめてください。
  • 被害が限定的である
    雨が降った時にポタポタと水が垂れてくる程度で、天井や壁に広範囲のシミができていない、壁紙が剥がれていないなど、被害が初期段階であるケースです。すでに構造部分に水が回っている可能性のある場合は、プロの判断が必要です。

これらの条件を満たす場合、コーキング剤の充填や防水テープによる補修といった応急処置に近い修理であれば、ご自身で対応できる可能性があります。ただし、あくまで一時的な対策であり、根本的な解決には至らないケースも多いことを念頭に置いておきましょう。

専門家による雨漏り修理が必要なケース

以下に挙げるようなケースでは、ご自身での修理は極めて困難であり、危険も伴います。原因が不明な場合や高所作業、被害が大きい場合は、迷わず専門業者に相談することが最も安全で確実な解決策です。無理に自分で直そうとすると、状況を悪化させ、結果的に修理費用が高額になってしまう可能性があります。

該当するケース専門業者に依頼すべき理由
雨漏りの原因箇所がわからない雨水の浸入経路は非常に複雑です。プロは散水調査や赤外線サーモグラフィーなどの専門的な調査で、目視ではわからない原因を正確に特定します。
2階以上の屋根など高所での作業が必要屋根の上は非常に滑りやすく、転落すれば命に関わる重大な事故につながります。専門業者は安全対策を徹底した上で作業を行います。
天井や壁に大きなシミがある・カビが発生している目に見える被害が大きい場合、天井裏や壁の内部など、見えない部分では建物の構造体(柱や梁)の腐食が進んでいる可能性があります。
雨がやんでも水が漏れ続ける建物内部に大量の水が溜まっているサインです。放置すると建物の耐久性に深刻なダメージを与えるため、早急な対応が必要です。
過去にDIYで修理したが再発した原因の特定が間違っていたか、修理方法が不適切だった可能性が高いです。根本原因を突き止め、適切な工法で修理する必要があります。
屋根の形状が複雑、または陸屋根(屋上)である複雑な形状の屋根や陸屋根は雨漏りの原因特定・修理の難易度が高く、専門的な知識と経験が不可欠です。

これらのいずれか一つでも当てはまる場合は、速やかに信頼できる雨漏り修理の専門業者に連絡し、現地調査を依頼しましょう。

プロが来るまでに自分でできる雨漏りの応急処置

自分でできる!雨漏りの応急処置3選 1. バケツで受ける 中に雑巾を入れて 水はねを防止 下にはシートを敷く 2. 吸水シート活用 吸水シート バケツが置けない 窓際や壁際に有効 水を吸って固める 3. 防水テープ ! 原因が明確な場合のみ 高所作業は絶対NG 安全な場所限定 これらは一時的な処置です。必ず専門業者に根本修理を依頼してください。 安全最優先で行い、無理な作業は避けましょう。

突然の雨漏りを発見した際、専門業者が到着するまでの間に何もせずにいると、天井や壁のシミが広がったり、床が水浸しになったりと被害が拡大してしまいます。ここでは、被害を最小限に食い止めるために、誰でもすぐに取り組める応急処置の方法を3つご紹介します。ただし、これらの方法はあくまで一時的な対策です。根本的な解決には専門家による原因調査と適切な修理が不可欠であることを念頭に置いておきましょう。

バケツや雑巾で水を受け止める

天井からポタポタと水滴が落ちてくる場合、最も基本的かつ効果的な応急処置が、水を受け止めることです。床や家財が濡れるのを防ぎ、二次被害の拡大を抑制します。

【手順】

  1. 水滴の落下点にバケツを置く: 雨漏りしている箇所の真下に、水を受け止めるためのバケツや洗面器を設置します。
  2. 水はねを防止する: バケツの底に雑巾や古いタオルを敷いておくと、水滴が落ちた際の「パシャン」という音を軽減し、周囲への水はねを防ぐことができます。
  3. 床を保護する: バケツの周りには、大きめのビニールシート(ゴミ袋を開いたものでも可)や新聞紙、レジャーシートなどを敷き詰め、万が一水が溢れたり、バケツの外に滴り落ちたりしても床が濡れないように保護しましょう。

溜まった水は定期的に捨て、バケツが満杯になって溢れないように注意してください。天井裏で雨漏りが発生している場合は、天井板が水分を含んで脆くなり、突然落下する危険性もあるため、むやみに天井裏を覗き込むのは避け、安全な場所から状況を確認しましょう。

吸水シートを活用する

バケツを置けない壁際や、天井から広範囲に水が染み出している場合、窓サッシのレール部分などには吸水シートが非常に役立ちます。ホームセンターやインターネット通販で手軽に購入できる防災用品の一つです。

吸水シートは、自重の何十倍もの水を吸収し、ゲル状に固める性質を持っています。そのため、一度吸収した水が再び染み出しにくく、効率的に水分を処理できます。

【活用例】

  • 天井のシミに: 天井にできたシミの周囲を囲むように吸水シートを貼り付け、水分の拡散を防ぎます。
  • 壁と床の境目に: 壁を伝ってきた水が床に広がるのを防ぐため、壁と床の境目に沿ってシートを設置します。
  • 窓サッシに: サッシのレール部分に溜まった雨水を吸収させるために設置します。タオルや雑巾よりも吸収力が高く、交換の手間が省けます。

吸水シートは製品によって吸収量が異なります。被害の状況に合わせて適切なサイズや枚数を使用し、水分を吸収しきったら新しいものと交換してください。

防水テープで一時的に塞ぐ

雨漏りの原因箇所が目視で明確に特定でき、かつ安全に手が届く範囲である場合に限り、防水テープで一時的に塞ぐという方法があります。ただし、これはあくまで最終手段であり、高所での作業は絶対にやめてください。

屋根の上や脚立を使わなければ届かないような高所の作業は、転落などの重大な事故につながる危険性が非常に高いため、必ず専門業者に任せましょう。

状況処置の可否注意点
外壁の低い位置にある小さなひび割れテープを貼る前に、周辺の汚れや水分を乾いた布で完全に拭き取ってください。
ベランダ床の亀裂(手が届く範囲)空気が入らないように、隙間なくしっかりと圧着させることが重要です。
屋根瓦のズレや破損不可高所作業は大変危険です。絶対に自分で行わないでください。
原因箇所が特定できない不可見当違いの場所を塞ぐと、水の通り道が変わり、別の場所から漏れ出す可能性があります。

防水テープでの補修は、雨水の浸入を一時的に食い止めるためのものです。テープが劣化すれば再び雨漏りが発生しますし、見えない部分で被害が進行している可能性もあります。応急処置を行った場合でも、必ず専門業者に点検と本格的な修理を依頼してください。

【場所別】雨漏りの主な原因

雨漏りと聞くと屋根を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、原因は建物の様々な場所に潜んでいます。原因箇所を特定することが、適切な修理への第一歩です。ここでは、雨漏りの主な原因を場所別に詳しく解説します。

雨漏りの発生場所主な原因箇所具体的な現象・劣化サイン
屋根屋根材、防水シート(ルーフィング)、板金部分瓦の割れ・ズレ、スレートのひび、棟板金の浮き、防水シートの破れ
外壁外壁材、目地のコーキング(シーリング)外壁のひび割れ(クラック)、サイディングの反り、コーキングの切れ・剥がれ
ベランダ・バルコニー床面の防水層、排水口(ドレン)、笠木防水層の膨れ・ひび割れ、排水口の詰まり、手すり壁の付け根からの浸水
窓・サッシサッシ枠と外壁の隙間、防水パッキンコーキングの劣化、ゴムパッキンの硬化・ひび割れ、サッシ枠の歪み

屋根が原因の雨漏り

建物の一番上で雨風を直接受ける屋根は、最も雨漏りが発生しやすい場所です。屋根からの雨漏りは、屋根材そのものの問題と、その下にある防水シートの問題に大別されます。

瓦やスレートのひび割れやズレ

瓦やスレート、ガルバリウム鋼板などの屋根材は、建物を雨から守る一次防水の役割を担っています。しかし、台風や強風、地震などの自然災害や、飛来物による衝撃で、ひび割れやズレ、変形が生じることがあります。特に、経年劣化で耐久性が低下している屋根材は、わずかな衝撃でも破損しやすく、その隙間から雨水が内部に侵入してしまいます。

屋根の防水シート(ルーフィング)の劣化

屋根材の下には、防水シート(ルーフィング)と呼ばれるシートが敷かれています。これは、屋根材の隙間から侵入した雨水を最終的に防ぐ「二次防水」の役割を担う、非常に重要な部材です。屋根材に目立った破損がなくても、この防水シートが経年劣化や施工不良で破れていたり、穴が開いていたりすると、そこから直接雨漏りにつながります。防水シートの耐用年数は10年~20年程度が一般的で、屋根材よりも先に寿命を迎えるケースも少なくありません。

外壁が原因の雨漏り

屋根の次に雨漏りの原因となりやすいのが外壁です。外壁は垂直面であるため雨水が流れ落ちやすいものの、ひび割れや部材の継ぎ目から水が侵入することがあります。

外壁材のひび割れ(クラック)

モルタルやサイディングなどの外壁材に生じるひび割れ(クラック)は、雨漏りの直接的な原因となります。特に、幅0.3mm以上の深いひび割れは、毛細管現象によって雨水を壁の内部へと吸い上げてしまいます。ひび割れは、地震による建物の揺れや、温度変化による素材の伸縮、経年劣化など、様々な要因で発生します。

コーキングの劣化

サイディングボードの継ぎ目(目地)や、窓サッシとの取り合い部分には、コーキング(シーリング)と呼ばれるゴム状の充填材が使われています。このコーキングは、防水性と気密性を保つ重要な役割を果たしますが、紫外線や雨風にさらされることで5年~10年程度で劣化します。劣化したコーキングは硬化してひび割れたり、痩せて隙間ができたりするため、雨漏りの主要な侵入経路となります。

ベランダ・バルコニーが原因の雨漏り

ベランダやバルコニーは、床面に施された防水層の劣化が雨漏りの主な原因です。床にはFRP防水やウレタン防水といった防水加工がされていますが、経年劣化や紫外線によってひび割れや膨れが生じると、その隙間から階下へ水が浸入します。また、落ち葉やゴミによる排水口(ドレン)の詰まりも原因の一つです。行き場を失った雨水がプール状になり、防水層の許容量を超えて室内へあふれ出すことがあります。

窓・サッシまわりが原因の雨漏り

窓やサッシまわりも雨漏りが頻発する箇所です。最も多い原因は、外壁とサッシフレームの隙間を埋めているコーキングの劣化です。コーキングが切れたり剥がれたりすると、その隙間から雨水が侵入し、窓枠を伝って室内に漏れ出します。また、サッシ自体の気密性を保つためのゴムパッキンが劣化して、窓ガラスとフレームの間から雨水が染み込んでくるケースもあります。

雨漏り修理をプロに頼む5つのステップ

雨漏り修理をプロに頼む5つのステップ 1 被害状況の確認と応急処置 写真・動画で記録を残し、可能な範囲で応急処置を行う 2 信頼できる修理業者を探す 実績・資格・口コミを確認し、悪徳業者を避ける 3 現地調査と見積もりの依頼 相見積もりを取り、工事内容と金額の妥当性を比較 4 契約内容の確認と締結 工期・総額・保証内容などを書面で確実に契約する 5 修理工事とアフターフォロー 工事完了の確認を行い、保証書を受け取って保管する

突然の雨漏り。「どうしよう…」とパニックになってしまいますが、まずは落ち着いて行動することが大切です。ここでは、雨漏り修理を専門のプロに依頼するまでの具体的な流れを5つのステップに分けて解説します。この手順に沿って進めることで、焦らず、そして確実に問題を解決へと導くことができます。

ステップ1 被害状況の確認と応急処置

業者に連絡する前に、まずはご自身で被害状況を確認しましょう。「どこから、どのくらいの量の水が漏れているのか」「雨が降っている時だけか、止んだ後も続くのか」などを把握し、スマートフォンなどで写真や動画を撮影しておくことをおすすめします。この記録は、後に業者へ状況を正確に伝える際や、火災保険を申請する際の重要な証拠となります。状況を確認したら、前の章で解説した応急処置を行い、被害の拡大を防ぎましょう。ただし、応急処置はあくまで一時しのぎです。根本的な解決のためには、速やかに専門業者へ相談することが不可欠です。

ステップ2 信頼できる修理業者を探す

応急処置が済んだら、次は修理を依頼する業者を探します。雨漏り修理業者には、残念ながら高額な請求をする悪徳業者も存在するため、業者選びは最も重要なステップと言えます。インターネット検索で「地域名 雨漏り修理」と検索したり、知人からの紹介を参考にしたりして、複数の候補をリストアップしましょう。

優良な雨漏り修理業者の選び方

数ある業者の中から信頼できる一社を見つけるために、以下のポイントをチェックしましょう。複数の業者を比較検討することが、失敗しないための鍵となります。

チェック項目確認するポイント
実績と専門性雨漏り修理の施工事例が豊富か。公式サイトなどで具体的な事例を確認できるか。
資格の有無「雨漏り診断士」や「建築士」などの専門資格を持つスタッフが在籍しているか。建設業許可を得ているか。
見積もりの明確さ「工事一式」ではなく、工事内容や使用材料、単価などが詳細に記載されているか。
保証とアフターフォロー工事後の保証制度(保証期間や内容)がしっかりしているか。定期点検などのアフターフォローはあるか。
地域での評判地域に根ざして長く営業しているか。口コミや評判が悪くないか。
保険申請のサポート火災保険を利用した修理の実績があり、申請のサポートに対応してくれるか。

雨漏り調査・修繕 けんおうリノベーションのような専門業者に相談する

雨漏りの原因特定は非常に難しく、専門的な知識と技術が求められます。一般的なリフォーム会社や工務店も対応可能ですが、より確実な修理を望むなら、雨漏りの調査と修繕を専門とする業者への相談がおすすめです。例えば「雨漏り調査・修繕 けんおうリノベーション」のような専門業者は、赤外線サーモグラフィーカメラや散水調査といった専門的な調査方法を駆使して、目視ではわからない雨水の浸入経路を正確に特定するノウハウを持っています。原因を確実に突き止めることが、再発を防ぐための第一歩です。

ステップ3 現地調査と見積もりの依頼

候補の業者を2〜3社に絞り込んだら、現地調査と見積もりを依頼します。これを「相見積もり」と呼びます。調査の際は、雨漏りしている箇所だけでなく、屋根や外壁全体の状態も確認してもらいましょう。見積書を受け取ったら、総額だけでなく、提示された修理方法が建物の状況に対して適切か、不要な工事が含まれていないかを慎重に比較検討します。不明な点があれば、遠慮なく質問して納得できる説明を求めましょう。

ステップ4 契約内容の確認と締結

見積もり内容や担当者の対応に納得できる業者が見つかったら、契約に進みます。契約を急かされたり、口約束で済ませようとしたりする業者には注意が必要です。契約書にサインする前には、以下の項目がすべて明記されているかを必ず確認してください。

  • 工事の具体的な内容と範囲
  • 最終的な支払い総額と支払い方法・時期
  • 工事の開始日と完了予定日(工期)
  • 使用する建材のメーカーや品番
  • 工事後の保証内容(期間と対象範囲)
  • 万が一の事故に備えた損害賠償保険への加入状況

すべての条件に納得した上で、必ず書面で契約を交わしてください。

ステップ5 修理工事とアフターフォロー

契約が完了すれば、いよいよ修理工事の開始です。工事が始まったら、任せきりにするのではなく、進捗状況を時々確認すると良いでしょう。工事完了時には、業者立ち会いのもとで修理箇所を最終確認します。雨漏りがきちんと止まっているか、他に傷や汚れがついていないかなどをチェックし、問題がなければ工事完了となります。最後に、保証書や工事報告書を必ず受け取り、大切に保管しておきましょう。優良な業者はアフターフォローも万全です。保証期間内に万が一雨漏りが再発した場合の対応についても、事前に確認しておくとさらに安心です。

雨漏り修理の料金相場と火災保険の適用

雨漏り修理の費用相場と火災保険 ▼ 修理・調査費用の目安(税別) 屋根 部分補修・棟板金など 2万 ~ 20万円 全体葺き替え・カバー工法 80万 ~ 300万円超 外壁 窓枠 ひび割れ補修・コーキング打ち替えなど 1万 ~ 40万円 ベランダ トップコート・各種防水工事 5万 ~ 30万円 調査費 目視・散水・赤外線サーモグラフィーなど 無料 ~ 25万円 ▼ 火災保険が適用される条件 自然災害が原因 台風・強風・大雪・雹(ひょう)など 保険適用の可能性【大】 × 経年劣化が原因 老朽化・サビ・施工不良など 保険適用の対象外

雨漏り修理を検討する際、多くの方が最も気になるのが「費用」ではないでしょうか。修理費用は、雨漏りの原因や場所、被害の規模によって大きく変動します。ここでは、修理にかかる料金の目安と、費用負担を軽減できる可能性がある火災保険の適用について詳しく解説します。

修理箇所別の費用目安

雨漏り修理の費用は、どの部分をどのように修理するかによって大きく異なります。以下に、主な修理箇所ごとの費用相場をまとめました。ただし、あくまで一般的な目安であり、実際の費用は建物の構造や劣化状況、使用する材料によって変動します。

修理箇所主な修理内容費用相場(税別)
屋根瓦のズレ補修・差し替え(数枚程度)2万円~10万円
棟板金(むねばんきん)の交換5万円~20万円
屋根全体の葺き替え・カバー工法80万円~300万円以上
外壁ひび割れ(クラック)の補修1万円~10万円
コーキング(シーリング)の打ち替え10万円~40万円
ベランダ・バルコニー防水層のトップコート塗り替え5万円~15万円
防水工事(ウレタン防水・FRP防水など)10万円~30万円
窓・サッシコーキング(シーリング)の打ち替え2万円~10万円

部分的な補修であれば数万円で済むこともありますが、屋根全体の工事など大規模な修理になると100万円を超えるケースも少なくありません。正確な費用を知るためには、必ず専門業者による現地調査と見積もりを依頼しましょう。

雨漏り調査にかかる費用

適切な雨漏り修理を行うためには、原因を正確に特定する「雨漏り調査」が不可欠です。調査方法によって費用が異なります。

調査方法内容費用相場(税別)
目視調査専門家が室内や屋根裏、屋根の上などを目で見て原因箇所を推測する基本的な調査。無料~3万円
散水調査雨漏りの疑いがある箇所にホースなどで水をかけ、雨の状況を再現して原因を特定する調査。3万円~15万円
赤外線サーモグラフィー調査建物の表面温度の違いを赤外線カメラで撮影し、水の侵入経路や内部の水分を可視化する調査。10万円~25万円

「調査無料」を掲げる業者もいますが、その後の修理契約が前提となっている場合がほとんどです。調査のみを依頼したい場合は、有料となるケースが多いことを理解しておきましょう。

雨漏り修理で火災保険が使える条件

高額になりがちな雨漏り修理ですが、条件を満たせば火災保険を適用して自己負担を軽減できる可能性があります。しかし、雨漏りであれば必ず保険が使えるわけではないため、注意が必要です。

火災保険が適用されるのは、原則として「風災・雹災(ひょうさい)・雪災」などの自然災害によって建物が損害を受け、その結果として雨漏りが発生した場合です。具体的には、以下のようなケースが該当します。

  • 台風の強風で屋根瓦が飛んでしまい、そこから雨が侵入した
  • 飛来物(瓦礫や看板など)が屋根や外壁に衝突して破損し、雨漏りが発生した
  • 大雪の重みで雨樋や屋根が損傷し、雨漏りにつながった

一方で、以下のような経年劣化が原因の雨漏りは、火災保険の対象外となります。

  • 長年の使用で屋根材や防水シートが劣化した
  • 外壁のコーキングが古くなってひび割れ、そこから雨水が侵入した
  • 施工不良が原因で発生した雨漏り

保険を申請する際は、まずご自身が加入している保険の契約内容を確認し、保険会社や代理店に連絡することが第一歩です。「保険金が使える」と勧誘してくる修理業者もいますが、安易に契約せず、必ず保険会社に相談してから手続きを進めましょう。

雨漏りを放置すると起こる二次被害のリスク

天井からポタポタと水が落ちてくる、壁にシミが広がっている。こうした雨漏りのサインに気づきながらも、「まだ大丈夫だろう」と修理を先延ばしにしていませんか?しかし、雨漏りの放置は、単なる水濡れ被害にとどまらず、建物とそこに住む人の両方に深刻な二次被害をもたらす危険な行為です。ここでは、雨漏りを放置することで引き起こされる、3つの重大なリスクについて詳しく解説します。

カビの発生による健康被害

雨漏りによって建物内部に侵入した水分は、壁の内部や天井裏など、普段は見えない場所に滞留し、高い湿度を保ち続けます。この湿った環境は、カビにとって絶好の繁殖場所となります。特に、壁紙の接着剤や木材、ホコリなどを栄養源として、カビは瞬く間に増殖していきます。

発生したカビは、胞子を空気中に飛散させ、それを吸い込むことで様々な健康被害を引き起こす可能性があります。特に免疫力の低い小さなお子様やご高齢の方、アレルギー体質の方がいるご家庭では注意が必要-mark>です。

  • アレルギー性鼻炎
  • 気管支喘息
  • アトピー性皮膚炎の悪化
  • 肺炎(夏型過敏性肺炎など)
  • シックハウス症候群

目に見える場所にカビが生えていなくても、カビ臭いと感じる場合は、壁の内部や天井裏、床下などで繁殖が進んでいるサインかもしれません。健康的な生活環境を守るためにも、雨漏りは早期に解決する必要があります。

建物の構造部分の腐食

雨漏りの水は、建物を支える重要な構造部分にまで浸透し、深刻なダメージを与えます。建物の構造によって被害の現れ方は異なりますが、いずれも建物の寿命を縮める致命的な問題につながります。

木造住宅の場合、雨水が柱や梁、土台といった木材に染み込むと、木材腐朽菌が繁殖し、木を内部から腐らせてしまいます。鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物でも、雨水が内部に侵入すると、鉄骨のサビや鉄筋の腐食を引き起こします。

構造部分の腐食は、建物の耐久性、特に耐震性を著しく低下させます。腐食が進んだ状態では、地震や台風などの自然災害時に建物が倒壊するリスクが高まり、命の危険に直結します。さらに、建物の資産価値も大幅に下落させてしまうため、経済的な損失も計り知れません。

構造の種類腐食・劣化の対象引き起こされる主なリスク
木造柱、梁、土台などの木材木材腐朽菌による腐朽、強度の低下、耐震性の著しい劣化
鉄骨造(S造)梁や柱などの鉄骨サビの発生と進行による部材の欠損、強度の低下
鉄筋コンクリート造(RC造)内部の鉄筋コンクリートのひび割れからの水分侵入による鉄筋の錆、コンクリートの爆裂

シロアリの発生

雨漏りが引き起こすもう一つの深刻な被害が、シロアリの発生です。シロアリは湿った木材を好んで食べるため、雨漏りによって常に湿っている柱や土台は、シロアリにとって格好の餌場となってしまいます。

シロアリ被害の最も恐ろしい点は、被害が床下や壁の内部など、人の目につかない場所で静かに進行することです。気づいたときには、建物を支える重要な柱や土台がスカスカに食い荒らされ、建物の強度が致命的に低下しているケースも少なくありません。そうなると、わずかな地震の揺れでも家が倒壊する危険性があります。

雨漏りの修理に加えて、シロアリの駆除や被害箇所の補修・補強工事が必要となれば、修理費用はさらに高額になります。雨漏りのサインを見つけたら、それはシロアリを呼び寄せるサインでもあると認識し、一刻も早く専門家による調査と対策を講じることが重要です。

まとめ

この記事では、雨漏り修理を自分で行う判断基準から、プロに依頼するまでの具体的なステップ、費用相場までを解説しました。

軽微に見える雨漏りであっても、原因の特定は専門家でなければ難しく、不適切な自己修理はかえって被害を拡大させる危険性があります。結論として、雨漏りを発見した際は、まずバケツや防水テープで応急処置を施した上で、速やかにプロの修理業者へ相談することが最も安全かつ確実な解決策です。

雨漏りを放置することは、カビによる健康被害、建物の構造部分の腐食、シロアリの発生といった深刻な二次被害を引き起こす原因となります。修理費用は、自然災害が原因の場合に火災保険が適用されるケースもあるため、まずは諦めずに確認してみましょう。

大切な住まいを長く守るためにも、この記事で紹介した業者選びのポイントを参考に、信頼できる専門家による正確な調査と適切な修理を依頼してください。

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雨漏り調査・修繕 けんおうリノベーション

詳細情報

〒243-0018 神奈川県厚木市中町2丁目13-14サンシャインビル602

URL:https://renovation.a2gjpn.co.jp/

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